不動産取引の流れ flow

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初めて不動産売却をされる際は、どのような流れで進むのか、必要な契約手続きや書類などわからないことだらけで不安になることもあるかと思います。
売却の手順や手続きなど不動産取引の流れを解説します。

不動産売買契約の準備

売買契約の準備

営業担当者よりご契約当日にお持ちいただく書類、金銭等についてご案内をしますので、ご準備をお願いいたします。売買契約締結時の必要書類は、下記をご参照ください。なお、ご契約日前に営業担当者より確認、または写しを取らせていただく場合もありますのでご協力をお願いいたします。

住宅ローンを利用されている売主様の場合は、住宅ローンの残額繰り上げ返済(一括返済)を行う際に、月ごとに返済日が指定されることや、返済予定日の数週間前までに申出が必要になるなど、金融機関により異なります。繰り上げ返済金額の確認、返済方法、抵当権抹消書類の受理方法等について、各金融機関または営業担当者と打合せを行ってください。


売買契約締結時に必要な書類等


売主様
  1. 1.土地・建物登記済証(提示)
  2. 2.実印(共有の場合各々)
  3. 3.印鑑証明書(3ヶ月以内発行のもの)
  4. 4.固定資産税等納税通知書
  5. 5.パンフレット管理規約・管理組合総会議事録等(マンション等の場合)
  6. 6.建築確認通知書・検査済証
  7. 7.実測図・建築図面・建築協定書等
  8. 8.付帯設備表
  9. 9.物件状況等報告書
  10. 10.売買契約書貼付印紙(代)
  11. 11.仲介手数料
買主様
  1. 1.認印(共有の場合各々)
  2. 2.売買契約書貼付印紙(代)
  3. 3.手付金
  4. 4.仲介手数料

※売買契約の締結に際し、ご本人(共有者を含む)が出席できない場合、ご本人の委任状と印鑑証明書が必要になります。なお、各必要書類については、随時営業担当者にご確認ください。


ローンの確認

住宅ロ一ンを利用する場合、どのような住宅ローンを利用するか、契約前に十分に検討しましょう。公的融資と銀行ローンの併用や社内融資と公的融資の併用など、いくつかの組み合わせが可能な場合があります。また、ローンの形態についても理解しておくと、返済計画が立てやすくなります

共有得分の定め方

不動産を購入しその所有権取得の登記をする場合、購入資金の負担者を登記名義人として所有権の登記を行います。購入資金の負担者が複数で共有による登記を行う場合は、原則として購入資金の割合に応じた共有持分を設定します。この共有持分を負担割合と異なる持分で登記してしまうと、贈与税が課税される可能性がありますので、共有持分を設定する場合は注意しなければなりません。

重要事項説明書

重要事項説明書とは

買主様が不動産を購入しようとするとき、安全な取引を行うためには、お客様自身が取引する物件や取引条件等の重要な事項(これらの事柄を総称して「重要事項」といいます)について、十分にその内容を確認し、納得のうえで売買契約を締結する必要があります。そのため国内の不動産取引においては、宅地建物取引業法に基づき宅地建物取引主任者が契約前に書面(「重要事項説明書」といいます)をもって説明を行い、お客様に取引内容を十分ご理解いただいたうえで、ご契約いただくようになっています。

重要事項説明書はその名の通り、取引する物件や取引の条件等に関するとても重要な事項について説明する書類ですので、取引内容を十分ご確認・ご理解いただくようお願いいたします。

基本的記載事項

重要事項として、宅地建物取引主任者が説明する項目は、宅地建物取引業法に定められた以下の取引物件に関する事項や、取引条件に関する事項等となっています。この他にもお客様の購入意思の決定に影響を与える事項等がある場合には、宅地建物取引主任者が説明することになっています。

取引物件に関する事項
  1. 1.登記された権利の種類・内容等
    不動産の所在、構造、面積、所有者、権利関係等について記載されています。
  2. 2.都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限
    取引物件にかかわる様々な法令上の制限の内容が記載されています。
  3. 3.私道に関する負担等に関する事項
    私道負担等の道路に関する内容が記載されています。
  4. 4.飲用水・ガス・電気の供給施設、排水施設の整備の状況
    現在利用可能な施設、将来の整備予定と負担金の有無、配管の埋設状況等の生活関連施設の整備状況について記載されています。
  5. 5.物件が工事の完了前のものであるときは、工事完了時における形状、構造等の事項
    未完成の新築物件等のように、物件の状況が目でみて判断できない場合、完成時の形状、構造等の説明について記載されています(完成済の新築物件等についても同様です)。
  6. 6.区分所有建物の場合における一棟の建物の敷地に関する権利の種類および内容、共用部分に関する規約の定め等に関する事項
    いわゆる「マンション」特有の決まりごと等について記載されています。
取引条件に関する事項
  1. 1.売買代金以外に授受される金銭の額および授受の目的。手付金、固定資産税や都市計画税の清算金、管理費等の清算金に関する項目や金額が記載されています。
  2. 2.契約の解除に関する事項
  3. 3.損害賠償額の予定または違約金に関する事項。契約の解除の条件、契約違反の場合の違約金に関する取決め等について記載されています。
  4. 4.手付金等の保全措置の概要
  5. 5.支払金または預り金の保全措置の有無および概要
  6. 6.売買代金に関する金銭の貸借のあっせんの内容および金銭の貸借が成立しないときの措置。買主様のローン利用予定金融機関、借入予定金額の記載、ロ一ンが実行されないときの措置等について記載されています。
  7. 7.その他建設省令で定める事
  8. 8.割賦販売
その他の記載事項
  1. 1.その取引に関与する宅地建物取引業者および宅地建物取引主任者の記載
  2. 2.供託所等に関する説明
  3. 3.取引態様(売買・交換・貸借の別および当事者・代理・媒介の別)

売買契約の締結

売買契約の締結

重要事項の説明を聞き、売主様、買主様が納得し、諸条件の合意をしたのち、いよいよ売買契約の締結を行うことになります。売買契約の締結においては 売主様、買主様、仲介業者立会いのもと売買契約書を読み合せ、記載された売買契約条件の確認を行います。その後、売買契約書に署名、押印することになりま す。

そして売買契約の締結に合わせ売買契約書にて合意した手付金を買主様から売主様に支払います。手付金の支払い方法は「現金」もしくは「預金小切手」を使用します。手付金に限らず、金銭の授受に預金小切手を使用する際は、万一に備え、預金小切手のコピーもしくは預金小切手の振出銀行名と預金小切手の番 号を控えるようにすると安心です。

売買契約書について

売買契約は売主様が、ある財産権を買主様に対して移転することを約束し、買主様が売主様に対してその代金を支払うことを約束する内容の契約です。合 意によって売主様は売買の目的物である土地や建物を買主様に引渡し、その登記を移転する義務を負い、これに対して買主様は、売主様に代金を支払う義務を負うことになります。不動産に関する契約は、次のような理由から当事者間において合意した内容を書面にすることが一般的となっています。

売買契約書について
  1. 1.不動産に関する契約は当事者が契約書に署名、押印するときに成立すると考えられていること。
  2. 2.宅地建物取引業者が宅地または建物の売買または媒介を行う場合、契約内容を記載した書面の交付義務があり、通常、契約書でこれに代えていること(宅地建物取引業法第37条)。
  3. 3.当事者間に紛争が生じた場合の証拠となること。

契約書の基本的な記載事項は、以下のとおりです。

不動産売買契約書に売主様、買主様双方の署名、押印がなされると、正式に契約が成立します。契約を締結した後は簡単に内容を変更することはできませんので、以下に記載する基本的記載事項を十分ご確認のうえ、不明な点は契約前に質問をし、合意した内容が契約書にきちんと盛り込まれているかどうかご確認ください。

住宅ローン

固定金利型と変動金利型

固定金利型ローン 借入金利が完済するまで変らない(全期間固定金利)型のローン。
変動金利型ローン 返済期間中の金融情勢の変化に合わせて金利が上下する型のローン。金利は原則的に半年に1度見直されますが、返済額は借入から5年間は一定となり、この期間で生じた金利変動による利息等の過不足金が生じた場合は、6年目以降からの返済額(各5年間ごと)で調整されます。
固定金利選択型 借入から一定期間(2~10年間)を固定金利とし、設定した固定金利期間が終了した時点で、再度固定金利型と変動金利型とを選択する型のローン。(融資機関によりローン商品の内容が異なります。)

元利均等返済と元金均等返済

元利均等返済 全返済期間を通じて毎回の返済額が同じになるように組まれているので、当初の返済金に含まれている借入元金は少なく、利息がほとんどを占めています。返済が進むにしたがい元金部分が増え、利息部分が減っていきます。
元金均等返済 全返済期間を通じて借入元金の返済額を同じになるようにしているので、利息の多くかかる当初の毎回返済額は多くなりますが、返済が進むにつれて毎回返済額が減少していきます。

残代金の支払いおよび引渡し

残金決済の準備

残金決済日が近づいたら営業担当者と連絡を密にしていただき、当日持参する書類、金銭等についてご確認ください。なお、残金決済時の残代金の支払い は、売主様より支払方法(現金、預金小切手、売主様指定口座への振込み等)が指定される場合がありますのであらかじめご了承ください。

残金決済時の必要書類等

売主様
  1. 1.土地・建物登記済証
  2. 2.実印(共有の場合各々)
  3. 3.印鑑証明書(3ヶ月以内発行のもの)
  4. 4.住民票・除票(住所変更している場合)等
  5. ※売主様が売買物件をご購入された後、二度以上住所移転されている場合は、所有権移転登記等に際し、本籍地の市(区)役所等において戸籍の附票を取得していただく場合があります。
  6. 5.建築確認通知書・検査済証
  7. 6.実測図・建築図面・建築協定書等
  8. 7.付帯設備取扱説明書
  9. 8.鍵
  10. 9.清算金等
  11. 10.登記費用(抵当権抹消・住所変更等)
  12. 11.パンフレット・管理規約・使用細則・管理組合総会議事録等(マンション等の場合)
  13. 12.抵当権等抹消書類
  14. 13.借入金融機関預金通帳・通帳印
  15. 14.仲介手数料残金
買主様
  1. 1.残代金
  2. 2.認印(共有の場合各々)
  3. 3.住民票
  4. 4.登記費用(所有権移転登記・抵当権設定登記)
  5. 5.固定資産税等清算金
  6. 6.住宅家屋証明書(軽減措置対象の場合)
  7. 7.管理費等清算金(マンション等の場合
  8. 8.仲介手数料残金
  9. 9.住宅ローン利用の場合
  10. 10.実印(共有の場合各々)
  11. 11.印鑑証明書(3カ月以内発行のもの)
  12. 12.金融機関預金通帳・通帳印

引渡し前の現地確認

残金決済にあたり、売主様、買主様双方が立会いのうえ、売買契約書、付帯設備表および物件状況等報告書にもとづき境界の確認、物件の状況確認、その他売主様から買主様への引継ぎ事項等の確認を行います。

残金決済当日の流れ

登記申請必要書類の確認

残代金の授受

公租公課等の清算

鍵の授受

引渡し確認書等の作成

仲介手数料残金のお支払い

借地権

借地権とは

借地権とは、建物所有を目的とする「地上権」および「賃借権」双方を意味します。このうち、「地上権」は、土地の所有者と地上権の設定契約を締結して、その土地を直接的に支配し利用することができる権利であり、地上権者は土地所有者の承諾なしで譲渡または賃貸することができます。

これに対し、「賃借権」は、土地の賃貸借契約を締結し有償で利用する権利で、譲渡または転貸する際には土地所有者(賃貸人)の承諾が必要となりま す。平成4年8月1日から施行された「借地借家法」では、同日をもって従来の「借地法」「借家法」「建物保護に関する法律」は廃止されました。しかし、新 法の施行前にすでに締結されている借地契約には新法の期間、契約の更新など多くの規定が適用されずに旧法が適用されることになっています。新法の主な改正 項目は、1)借地権の存続期間を建物の堅固・非堅固を問わず一律に30年以上としたこと、2)借地権の更新後の期間について更新の日から10年(但し最初 の更新にかぎり20年)としたこと、3)更新のない定期借地権が新設されたことなどがあげられます。

借地権の種類

旧法
(1.借地法に基づく借地権)

売主様
  1. ・存続期間に定めある場合
    堅固な建物30年以上
    非堅固な建物20年以上
  2. ・存続期間に定めない場合
    堅固な建物60年
    非堅固な建物30年
買主様
  1. 平成4年7月31日までに設定された借地権です

新法
(2.借地借家法に基づく借地権(普通借地権))

売主様
  1. ・存続期間に定めある場合
    堅固・非堅固の区別なく一律30年以上
  2. ・存続期間に定めない場合
    堅固・非堅固の区別なく一律30年
買主様
  1. 平成4年8月1日以降に設定された借地権のうち、下記3・4・5以外のものです。

(3.定期借地権)

売主様
  1. 50年以上
買主様 借地契約の更新、存続期間の延長、借地借家法第13条の規定による建物の買取り請求はできません。なお、借地契約満了時に当該借地上の建物を取壊し、更地にして土地所有者に明渡さなければなりません。

(4.建物譲渡特約付借地権)

売主様
  1. 30年以上
買主様 借地権設定後30年以上経過した日に当該借地上の建物を土地所有者に譲渡する旨が定められています。

(5.事業用借地権)

売主様
  1. 10年以上20年以内
買主様 借地契約の更新、存続期間の延長、借地借家法第13条の規定による建物の買取り請求はできません。なお、借地契約満了時に当該借地上の建物を取壊し、更地にして明渡さなければなりません。

※旧借地法に基づく借地権については、借地契約の更新に際しても旧借地法が適用されます(借地借家法附則第6条)。

※上記3)の定期借地権については公正証書等の書面により、上記5)の事業用借地権については公正証書により、それぞれ設定する必要があります。

瑕疵(かし)担保責任

瑕疵担保責任とは

瑕疵というのは、物に欠陥があること、すなわちその物が備えていなければならない一定の性質、性能を有していないということです。売買の目的物に隠れた瑕疵、すなわち通常人の注意をもっては知り得ない欠陥が存在する場合における売主の責任のことを瑕疵担保責任といいます。

統一売買契約書における規定

1、中古住宅の場合

・瑕疵の範囲

統一売買契約書の規定では、売買対象不動産を現状のまま引渡すものとしておりますが、瑕疵の態様が住宅の基本性能に係わるものに限り、売主様は買主 様に対して瑕疵担保責任を負うものとしました。具体的には、雨漏り、シロアリの害、建物構造上主要な部位の木部の腐蝕、給排水設備の故障の4点で、かつ引 渡し後2カ月以内に発見されたものに限り、売主様に修復義務があるものとしています。

※土地についての瑕疵担保責任は負わない形になっています。

※区分所有建物(マンション等)については、瑕疵が共用部分にあるとき、またはその瑕疵の原因が共用部分の瑕疵にあるときは、売主様に責任を負わせていません。

【統一売買契約書における瑕疵の範囲】

雨漏り 雨漏りには、屋根部分以外からのもの、外壁部分、サッシ部分からの吹き込みも含まれます。
シロアリの害 被害箇所が建物本体に存していることが必要で、例えば植木等に害があっても対象外です。
建物構造上主要な部位の木部の腐蝕 壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい等)が含まれ外部バルコニー、軒裏等の木部は含まれません(建築基準法施行令第1条第3号)。
給排水設備の故障 給湯機本体の故障や器具の消耗等による性能不良は、含まれません。

・瑕疵の修復

瑕疵を発見したときは、急を要する場合を除いて、すみやかに売主様に連絡して立会う機会を設ける必要があります。それは、瑕疵の状態を売主様に確認 していただくためです。瑕疵が発見された場合、買主様は、売主様の費用負担で瑕疵の修復を行うことを、売主様に請求することができます。ただし、それ以上 に損害賠償を請求したり、本契約の解除や無効を主張することもできません。瑕疵の修復工事は、瑕疵の状況によって個別に対応して行いますが、修復工事の程 度は、社会通念上、合理的な範囲で行います。

・宅地建物取引業者が売主の場合

宅地建物取引業法に基づき、上記の規定とは異なり、売買対象不動産の隠れたる瑕疵については、引渡し後2年間担保責任を負うものとしています。

2、新築住宅の場合

宅地建物取引業者が売主の場合には、中古住宅の場合と同様に、宅地建物取引業法に基づき、引渡し後2年間瑕疵担保責任を負うものとしています。 さらに、新築住宅(新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもので、かつ、新築後1年未満のもの)の場合は、「住宅の品質確保の促進 等に関する法律」により、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵については、買主様に引渡した時(新築住宅が住宅新築請負契約にもとづき請負人から売 主に引渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から10年間、瑕疵担保責任を負うものとしています。

契約の解除

不動産売買契約を締結した後、次の要件に該当した場合、売主様、買主様双方は契約を解除することができるようになっています。

手付解除

売買契約において、手付金が交付されたがその目的をはっきり定めなかった場合には、民法では「解約手付」と位置づけており、統一売買契約書も解約手 付を採用しています。 「解約手付」とは、契約が成立したのち当事者の一方が契約の「履行に着手」するまでは、買主様が売主様に手付金を交付しているとすれば、売主様は手付金の 倍額を買主様に返還して、買主様は売主様に交付した手付金を放棄して、それぞれ契約を解除することができるものです。なお、解除理由については特段必要あ りません。 ただし、「履行の着手」の解釈基準が不明確であるため、統一売買契約書では、売主様、買主様が合意した手付解除期日を明記して、その期日または第一回の内 金支払い日のどちらか先に到来する期日までは、互いに解除権を認める内容となっています。

※宅地建物取引業者が売主の場合は、手付解除について以下の制限があります。

  1. 手付金の額は、売買代金の2割を超えることはできません。
  2. 手付は民法に定める解約手付としなければなりません。

手付解除

1、引渡し前の滅失

引渡し前の滅失とは、売買契約締結後、対象不動産が売主様から買主様へ引渡される前に、天災地変(火災、地震、台風など)等により文字どおり無く なってしまうことや、使用できない状態になってしまうことをいいます。統一売買契約書では、売買契約締結後、売主様、買主様の責任によらない天災地変等に より対象不動産が滅失または毀損(一部の滅失)してしまったときは、売主様、買主様は売買契約を解除するか、続行するかの選択ができることになっていま す。なお、契約を続行する場合は対象不動産の毀損箇所について売主様に修復義務が発生します。

2、解除の効果

天災地変等により対象不動産が滅失または毀損し、売買契約が解除となったときは、売買契約前の原状に回復することが必要であり、売主様は、買主様から受領した手付金等の金銭を全額すみやかに返還しなければなりません(違約金は発生しません)。

契約違反による解除

売主様、買主様のいずれかに契約違反があったとき、違反した者に対してその相手方は一定期間内に契約の履行を促し、それでも応じない場合には売買契約の解除を通告できるものです。

1、違約金の請求

民法では、契約違反によって売買契約が解除されたときは、違反者にその解除によって生じた損害を賠償請求することができます。しかしその損害のう ち、どの部分が契約違反によるのか証明するのは困難です。そこで、統一売買契約書では、あらかじめ損害額を一律に売買代金の20%相当額と決めてこれを違 約金としています。実損害がたとえ前記20%を上回っても、下回っても、その差額は売主様、買主様たがいに請求できないことにしています。また、売主様、 買主様は違約金を請求するにあたって実損害額の発生等の証明をする必要はありません。

2、違約金の支払い

契約違反により、売買契約が解除になったときは、次のとおり清算します。 1)売主様の契約違反による解除の場合 売主様は、買主様から受領した手付金等の金銭と違約金相1、融資利用の特約による解除当額の合計額を、買主様に支払います 2)買主様の契約違反による解除の場合 売主様が買主様から受領した手付金等の額が、違約金相当額より多い場合は、売主様はその差額を無利息にて買主様に返還します。反対に違約金相当額より少な い場合は、買主様は売主様にその不足額を支払います。

特約による白紙解除

1、融資利用の特約による解除

不動産を購入する際、金融機関等(社内融資を含む)からの融資(住宅ローン)を利用する場合が多いのですが、売買契約締結時点では確実に融資が受け られるかどうかわかりません。万一、融資が受けられない(減額された場合も含まれます)と買主様は債務不履行(契約違反)となってしまいますので、買主様 の責によらずに融資の承認が得られないときは、買主様は売買契約を解除することができるとするのが一般的です。

そのため、統一売買契約書では、買主様が売主様に解除通告できる期限を売買契約書に記入し、融資が受けられないとき、買主様はその期限をもって売買契約を続行するか解除するかを選択します。解除する場合は、その期限までに売主様に解除する旨を通告することになります。

2、譲渡承諾の特約による解除

この特約が必要となるのは、売買対象不動産の土地の利用権が賃借権の場合です。賃借権は土地の所有者から土地を借りて利用する権利の一つですが、こ の賃借権を第三者に譲るときは土地所有者の承諾が必要となります。 仮に、土地所有者の承諾を得ずに譲渡しますと、土地賃貸借契約は解除され土地所有者から土地の明渡しを請求されてしまうことにもなります。 そこで、統一売買契約書では、売主様が合意した期限までに土地所有者から譲渡の承諾を得られないときは、売主様は売買契約を解除することができます。

3、その他の特約による解除

売主様、買主様の合意により、ある一定の要件に該当することになったときには、売買契約を無条件に解除できる特約を付す場合があります。 代表的なものとして買換特約、第三者からの許可、承諾の特約等があります。

4、解除の手続と効果

上記の特約により、売買契約が解除となったときは、売買契約前の原状に回復することが必要であり、売主様は、買主様から受領した手付金等の金銭を全 額すみやかに返還しなければなりません(違約金は発生しません)。 なお、特約により解除された証として覚書などの書面を作成するのが一般的です。

引越準備

引越し準備~1カ月前

お住みかえには引越しがつきものですが、引越しも以外と手続きが煩雑で上手に準備しないと、予算が思ったよりかかることがあります。スムーズなお住みかえを行うために準備の要点とチェックポイントをあげてみました。

・引越し業者の手配

シーズンによっては、希望した日に引越しできないことがありますから早めに運送会社に手配しておきましょう。作業人数や作業内容も含めて数社から見積りをとっておくとよいでしょう。

・学校への連絡

お子様が通っている学校へは、引越すことを連絡して手続き(転出・転入校)をとっておきましょう。小学生の場合は新居から学校への通学路を一緒に歩いてみて、危険な場所がないかどうかチェックしておくとよいでしょう。

・不用品・粗大ゴミの処分

不用品は知人に譲ったりしてリサイクルすることも良いでしょう。また、粗大ゴミは各地域の清掃事務所に連絡して引き取ってもらいます。

・管理組合への届出

マンションの場合、荷物搬入時にエレベーター等の占有があるため、管理組合への届出書が必要となり、入居日・時間等の報告を求められる場合があります。

・整理、荷造りスタート

当面使わないものなどは時間のあるときに少しずつ整理し、荷造りを始めましょう。

引越し準備~2週間前

・水道・ガス・電気終了手続き

引越しの10日前までに、各社に連絡しておきましょう。電話の移転または設置も連絡が必要です。

・郵便物の転送手配

最寄りの郵便局で、所定の用紙に新居の住所を記入して転送手続きをします。

・転居通知の準備

新しい家の住所を入れた転居ハガキ等を準備します。引越し前後は時間がなかなかとれないものです。早めに準備し、失礼のないようにしましょう。

引越し準備~1週間前

・火災保険

新居へ火災保険を掛けるのと同時に現在の家の火災保険を解約する手続きをとりましょう。

・新聞販売店への連絡

担当販売店へ引越し日を連絡して、清算日を決めておきましょう。

・近隣・知人への挨拶

近隣のお宅や知人へ挨拶にまわります。当日は大変に忙しく、予期せぬことが起こることがよくあります。ご挨拶は1週間~3日前位までにすませましょう。

引越し準備~当日

引越し前の住居
  1. 【ガス・電気など】
    係員に来てもらい、ブレー力一や元栓を閉めて、料金も清算をします。また電話の撤去にも立会いが必要となることがありますので、誰が立会うかも決めておくと良いでしょう。
  2. 【家賃】
    貸家の場合、家主や不動産会社に退去の確認をしてもらい家賃や敷金の清算をします。
  3. 【荷物運送の立会い】
    運送会社の荷造りや積み込みに立会います。荷物の中身が分かるようにしておけぱ新居での整理がはかどります。
  4. 【清掃】
    室内の清掃や荷物の撤去、切れた電球の交換など次に入る方のことも考えましょう。
引越し後の住居
  1. 【ガス・電気など】
    水道・電気はすぐ使用できますが、ガスは係員に開けてもらいます。また電話の取り付け工事も立会いが必要なこともあるので確認をしましょう。
  2. 【引越し荷物搬入】
    家具などの配置は、あらかじめ決めておいて、スムーズに荷物を運び入れましょう。また、ピアノや美術品などは、搬入・設置に立会っておきましょう。
  3. 【近隣への挨拶】
    近隣へは引越当日か翌日に、ちょっとしたもの(タオル等)をもって挨拶をしておきましょう。今後いろいろとおつきあいが出てきますので、早目にお伺いした方がよいでしよう。